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ビットコインが再び急騰:この強気相場は持続するのか?
10x Researchによる機関投資家向けの暗号資産情報
👇1-12) 10xResearchの創業者のマーカス氏は、ヘッジファンドのミレニアムでポートフォリオマネージャーをした時に、頻繁に耳にしていたこと。「マーケットは毎日開いている」という言葉。
これは、素早く利益を得たいという欲求(FOMO)に惑わされる必要はなく、厳格なリスク管理と徹底した分析を重視することによって、チャンスや機会を伺うことを意味する。厳格な投資の基準を緩めることをしてはいけないということ。
*用語解説:「ミレニアム」とはリスク調整後リターンと厳格なリスク管理で知られる世界有数のヘッジファンド。
*用語解説:「FOMO」とは「Fear of Missing Out」の略で、「機会を逃す恐れ」という意味。一般的には、他の人が何か良いことを経験しているときに、自分だけその機会を逃してしまうのではないかという恐れを指す。投資の文脈では、他の投資家が利益を得ていると感じたときに、自分もそのチャンスを逃したくないという感情で無理な投資をしてしまう現象を表す。
👇2-12) ビットコインは、1週間前に52,000/55,000まで下落する可能性があると強調したときとほぼ同じレベル(64,000)に戻っている。その4月25日のレポートでは、ビットコインが高いインフレデータに対して売られる傾向があると言及したが、3月20日のFOMC会合後、別の高いインフレデータがリリースされるときまで反発した。ビットコインは下落したが、エントリーの買いゾーンにはわずか3%の差で届かなかった(実際の安値56,500)。68,300からの下落は、ロングを削減するよう強調していたときから-17%だった。
👇3-12) 適切なエントリーポイントを見つけることは、高いリスク調整後リターンを達成する上で重要であり、特に2-5倍に価格が急騰するような大きなブルマーケットが存在しない場合は特にそうである。60,000のレベルが突破されたとき、最も近いテクニカルサポートは52,000/55,000のエリアだった。興味深いことに、ビットコインの反発はFOMC会合によってではなく、ブラックロックからのタイミングの良いコメントに触発された。これは、ビットコインETFに対する「ソブリン・ウェルス・ファンド(Sovereign Wealth Funds)」と「年金基金の(見かけ上の)関心が高まっているというもので、その後、5月3日の弱い雇用データにより加速した。
*用語解説:「ソブリン・ウェルス・ファンド(Sovereign Wealth Funds)」は、国家や政府が保有する投資ファンドのことで、これらのファンドは、主に政府の財政余剰や外貨準備、天然資源の収入などを運用するために設立される。ソブリン・ウェルス・ファンドは、長期的な経済安定や資産の成長を目的として投資を行い、その投資対象は国内外の株式、債券、不動産、インフラ、プライベートエクイティなど多岐にわたる。
👇4-12) クリプト市場がネガティブな兆候(低い取引量、限定的なETFの流入など)を示している一方で、FOMC会合後のラリーの可能性を意識していた。強気相場では、誤ったトライアングル・ブレイクアウトが急激な反発を見せることがあり、これまでに4つのケースで確認されている。5月3日の10xResearchのレポートでは、下落傾向を食い止めるために迅速なラリーが必要であると強調した。テクニカル的には、以前の急反発が起きた際と同様のRSIレベル(40%)でビットコインが取引されていた。これはトレーダーが迅速に反応するべき時だった。
*用語解説:FOMC(Federal Open Market Committee、連邦公開市場委員会)は、アメリカの中央銀行である連邦準備制度(FRB)の政策決定機関。FOMCは、アメリカの金融政策の主要な方針を決定する役割を持ち、金利、公開市場操作、経済の見通しなど関して決定・議論を行う。FOMCの会合は通常、年に8回開催される。
👇5-12) 現在の(中立的な)市場状況にもかかわらず、ビットコインは米国の選挙サイクルと継続的な赤字支出によって支えられている。これが、5月3日の10x Researchレポートで私たちが「Line In the Sand(譲れない一線)」を68,300から62,000に調整した理由である。市場は62,000以上で、強気で取引される可能性がある。実際の「Line In the Sand(譲れない一線)」は60,800だが、余裕をもたせて設定し、新しいロングポジションに対しては60,800をストップレベルとした。
👇6-12) 3月中旬以降、オンチェーンデータは、一部の使われていなかったビットコインが再び動き出したことで、局所的な売却(流出)が行われていることを示しています。特に、すべてのウォレットサイズでビットコインの流出が見られた。大きなウォレットでは4月までまだ買いが続いていたが、小さなウォレットから流出が始まった。ただ、現在、市場に積極的な買い手はいない状態。
👇7-12) 2020年のビットコインの半減期では、8.5ヶ月後にNet Unrealized Profitsサイクル(未実現利益が時価総額の半分以上を占める強気相場の熱狂期)が始まったが、今回のサイクルでは半減期の6.5ヶ月前から始まっていた。これはETFの流入予測に駆動されており、2020/21年にはこの期間が10.5ヶ月続いたが、今回の期間は(わずか)7ヶ月にとどまっている。多くの含み益がある市場は、最終的に利益確定のリスクにさらされる。
*用語解説:Net Unrealized Profitsとは、投資家が保有している資産の含み益(まだ確定していない利益)のこと。強気相場の中で、含み益が時価総額の半分以上を占めると、これは「熱狂期(ユーフォリア・フェーズ)」と呼ばれる状態になる。このフェーズでは、市場参加者が楽観的であり、資産の価格が上昇を続けることへの期待が高まる。しかし、この時期には利益確定のリスクが増すこともある。
👇8-12) 短期保有者(1週間から1ヶ月)は現物価格の動きに最も敏感で、4月の実現損失の大部分はこのグループによるもの。さまざまなバイヤーバンド(1ヶ月-3ヶ月、3ヶ月-6ヶ月)の原価は、強気相場の調整を抑える傾向がある。1週間-1ヶ月の実現価格は66,700ドル、1ヶ月-3ヶ月は62,300ドル、3ヶ月-6ヶ月は42,300ドルである。
👇9-12) 強気相場では、スポット価格が主に短期保有者の平均コストベース(60,030)を最大10%下回る水準で取引されるまで調整が続く傾向がある。この水準は、歴史的に売り圧力が最も大きく、価格は反発する。この価格を持ちこたえることができなければ、マーケットは次の保有者のコストレンジ(1ヶ月-3ヶ月)であるエントリー価格62,300を試し、およそ10%の下落(56,070ドル)からの反発が期待される。この価格は52,000ドル/55,000ドルの範囲の上限に非常に近い。
👇10-12) ビットコインは存続するものの、今回の強気相場は以前より短い可能性がある。これは、今回のサイクルでブロックチェーン関連のベンチャーキャピタル投資が極端に不足しているため。このことが、アルトコインシーズンが以前のサイクルよりも控えめになる可能性のある理由である。2016年以降、VC投資はビットコインの価格レベルに追随している。
👇11-12) 例えば、2021年第2四半期から2022年第2四半期の間、ビットコインが40,000以上だったときに、各四半期で少なくとも60~80億ドルのVC資金が投入され、2022年第1四半期と第2四半期には弱気相場でも投資が加速した。これがVC企業による投資の誤配分を引き起こし、次の強気相場への投資に躊躇する原因となった可能性がある(多くのブロックチェーンVCがAIに移行した)。2024年第1四半期に120億ドルが投入されるはずが、実際には25億ドルにとどまった。
👇12-12) マクロ環境(FOMC、利下げ再開、米選挙サイクル、財政赤字支出など)が下支えしているにもかかわらず、10xResearchは62,000でショートポジションを放棄し、ロングポジションのストップを60,800に設定せざるを得なかった。取引量の少なさ、先物プレミアムの狭さ、わずかな安定コインの流入など、市場構造がまだ弱いため、現在のニュースの流れで持続的なブレイクアウトが起こるという確信は相対的に低い。何か大きなことが起こる必要がある。私たちはビットコインを購入して「ダンスをしている」ものの、出口(ストップロス60,800)に近い位置にいる。
このコンテンツは教育を目的として提供されており、投資の助言を目的としたものではありません。また、資産の売買や金融上の決定を推奨するものではありません。このニュースレターは税務に関するアドバイスを提供するものではありませんので、税についてのご相談は税理士にお願いします。当コンテンツに関連して生じたいかなる損失も、10xResearch/xWIN株式会社は責任を負いかねます。